Honda City Cabriolet / ER Turbo Engine Swap

載せ替え手順書

カブリオレ(FA・ER型NA)にターボⅡ用ERインタークーラーターボを換装するための実作業書。 世界中の先行事例から手順と落とし穴を抽出し、手元のドナー構成(ドナー車+ERエンジン一式)に合わせて並べ直してある。
チェックはこの端末のブラウザに自動保存される。
→ 手を動かす順番・所要時間・系統別の詳細は 載せ替えマニュアル に分けて書いてある。

作成 2026.07.29
工程 11 PHASE
進捗 0/0
01

ゴールと完成形TARGET STATE

ターボII用ERエンジンが載ったカブリオレのエンジンルーム
これが完成形。実際にターボⅡ用エンジンをフル移植したカブリオレのエンジンルーム (中古車ニュース掲載車)。 HONDA INTERCOOLERの箱・赤いCOMPAX TURBOヘッド・PGM-FI——手元のERエンジン一式と同じ構成。迷ったらこの写真に戻る。
エンジン
最高出力67 PS
燃料供給
エンジン
最高出力110 PS / 16.3 kg·m(+64%)
燃料供給

なぜ「カブリオレ×ターボ化」が世界中で定番なのか

カブリオレは最初からターボⅡと同じFAワイドボディ(ブリスターフェンダー・大型バンパー)で作られているのに、エンジンだけNA。 つまり「外側はもう完成している。中身だけブルドッグにすればいい」という素性で、日本・豪州・NZ・米国のオーナーが同じ結論に到達している。 しかも載せるのは同系のER型なので、換装後も継続車検はそのまま通るというのが国内先例の共通見解(下の事例①の記事に明記)。

02

世界の先人事例REFERENCE BUILDS / CLICK TO ZOOM

下の各事例はこちらで読みやすく再構成してある。オレンジのリンクが元サイト、水色のリンクがこちらで読みやすく再構成した事例集1ページの中でメニュー切り替えして読める

ターボII用ボンネットを付けた青いカブリオレ
事例① 日本エンジン+5MT+メーター+ボンネットのフル移植車。中古車ニュース 2014
▸ 事例集で詳しく読む
ターボII用メーターに換装されたインパネ
事例① 室内ターボⅡ用メーター+5MT化。メーターまで移植するとブースト管理が完結
▸ 事例集で詳しく読む
青いカブリオレのリアビュー
事例① リア外観はCABRIOLETのまま、中身だけ110PS
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YASTUDIO号のエンジンルーム
事例② 日本1989年から所有のYASTUDIO号。作業記録119本で国内最詳。仕上げの目標はこれ
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TURBO IIデカールの黄色いカブリオレ
事例③ 日本NA→ターボⅡ用ICターボ換装。Auto Messe Web 2024
▸ 事例集で詳しく読む(全11ページ)
赤いカブリオレ「ブル」
事例④ 日本「見た目はカブリオレ、中身はブルドッグ」号。ターボ化しても通勤の足=実用に耐える証明。みんカラ
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ニュージーランドの白いカブリオレ
海外 NZ現地流通の1984年式(SKAR)。海外でもまずターボボンネットから換装が始まる
▸ 事例集で詳しく読む

海外コミュニティの知見

豪州・NZの専門フォーラム CityTurbo.com には 「Cabriolet Turbo Conversion」のスレッドがあり、ER移植のほかホンダD型(D15B等)換装も定番 (無切断で搭載可・マウント加工のみ)。米 Cars & Bids のカブリオレ出品でも 「ターボⅡスワップしたら最高」の声。※CityTurbo.com本体は現在Waybackアーカイブ経由での閲覧。 調査の全文は 事例まとめ/ターボ2エンジン換装事例まとめ.md

03

部品の調達マップPARTS SOURCING / 手元のドナー構成に合わせた出どころ一覧

部品
ERターボエンジン本体
タービン・エキマニ・IC
ECU・デスビ・エアクリBOX
5MTミッション
メインハーネス
燃料タンク・ポンプ
メーター(ブースト計付き)
ボンネット・グリル
ラジエター・マフラー・ドラシャ
クラッチ3点
タイベル・ウォポン・シール類

世界の先人が口を揃える「一番ハマる場所」

エンジンハーネス+ECU(PGM-FI系の電装)。ここが欠品・断線していると数ヶ月単位で止まる。 この計画では①エンジン一式にECU付属 ②ドナー車にハーネス現物 ③予備部品の確保先、と三重の保険があるのが強み。 ドナー車のハーネスは後付け混在なので、外す前に必ず全経路を写真に残すこと(P1参照)。

PHASE 0

準備・調達BEFORE DONOR ARRIVAL

ゴール:ドナーが届いた日から手が止まらない状態にする。作業が止まる原因の9割は「部品・工具・資料がない」

資料DOCUMENTS

設備・工具TOOLS

消耗品の発注CONSUMABLES — 載せる前に全交換が先人の共通見解

落とし穴

42年前の車の純正部品は「必要になってから探す」と数ヶ月止まる。この節の未チェックが残ったまま P2(降ろし)に進まないこと。

PHASE 1

ドナー検品・降ろし整備INSPECT & REFRESH / 載せる前が9割

ゴール:「載せてから開ける」を絶対にしない。エンジンが台の上にある今が、全ての整備が一番安くて楽。

いま「1台まるごとバラし中」の出品者が2件ある(2026-08-01 実測)

昭和60年式 E-AA ターボⅡ の解体出品が131点(徳島県・出品名に (0482))、1982年 E-AA ターボの解体出品が多数(兵庫県・出品名に #hyj)。 以下の各項目に貼った個別リンクはこの2台から出ているものが多い。オークションは終わるとリンクが切れるので、切れていたら下の一覧から拾い直すこと。 ドナー車が着く前に「これは自分のドナー車から取れる/取れない」を仕分けしておくと、無駄買いしない。

エンジン一式の検品(着荷したら当日中に)

降ろしている間の整備ENGINE ON STAND

ドナー車からの部品取りDONOR STRIP / ドナー車到着後

下のリンクは「自分のドナー車から取れなかった時の保険」。ドナー車に付いている物を先に確認して、欠品・不良だった物だけ買う。

この節の値段について

価格は2026-08-01 に実際のページを開いて取った数字(モノタロウは税込に換算済み)。 ヤフオクは終了すればリンクごと消えるので、切れていたら上の一覧リンクから同じ物を探し直すこと。 純正品番だけはディーラー端末が正——ネットで廃番に見えても、車台番号 自車の車台番号 を伝えて照会すると出てくることがある。

PHASE 2

カブリオレのNAエンジン降ろしREMOVE NA ENGINE / 上から順に

ゴール:壊さず・記録しながら空にする。この番号の順で

落とし穴

外したボルトは「場所ごとにジップ袋+ラベル」。ER系はボルト長違いが多く、混ぜると組付けで必ず迷う。 降ろしたNAエンジンは売らずに保管(同系ERの補修部品取りとして価値がある)。

PHASE 3

燃料系の転換CARB → PGM-FI / 今回最大の造作ポイント

ゴール:ターボのPGM-FIが要求する「高圧供給+リターン」を作る。カブリオレのNAはキャブ仕様なので、ここだけは「載せ替え」でなく「新設」になる。

落とし穴(火災リスク)

キャブ用の低圧ホースを流用すると高圧で滲む→最悪車両火災。燃料系だけはケチらず全て耐圧新品。 ホースバンドも燃料用の専用品を使う。

PHASE 4

ターボエンジン搭載ENGINE IN

ゴール:エンジン+5MTを一体で搭載。カブリオレはターボⅡと同じFAワイドボディなのでマウント位置は基本ボルトオン

PHASE 5

ターボ系統の構築BOOST / COOLING / OIL LINES

ゴール:NA車に存在しなかった系統(過給・タービン潤滑・強化冷却)を作る。

落とし穴

初始動後のトラブルで一番多いのはブースト配管の抜け・滲み。バンド1本まで写真と突き合わせて確認。 ここで手を抜くと「ブーストが掛からない」「黒煙」の原因探しで1週間溶ける。

PHASE 6

電装 — ハーネス・ECU・メーターWIRING / 一番ハマる工程。焦らず1本ずつ

PHASE 7

外装 — ブルドッグ顔の完成EXTERIOR

PHASE S

足回り — フロント車高調(ライフJB1流用)FRONT COILOVER / 下側は無加工・作り替えるのは上端だけ

ゴール:ホンダ ライフ JB1 用のフロント車高調をカブリオレに入れて車高を落とす。 シティ用は市販のローダウンサスしか無く、バネカットは避けたい——という同じ壁を、先人が2019年に越えている。 JB1用は「JB1のナックルに付く」前提の製品なので、下側(ナックルクランプ・ボルト位置・ブレーキホースステーの位置)は無加工で入る。 作り替えるのは上端だけ

先例
今回の購入品
バネレートF 4K / R 3K
車高調整ネジ式・F −17〜−30mm(JB1基準。JB1ユニット自体が純正比 −30〜40mm短いので、シティではその分が上乗せになる)
減衰力
スプリング形状
リア2本

組む前に測る3ヶ所MEASURE FIRST / ここで合否が決まる。車体に付ける前にやる

組み付けASSEMBLY / 先人の手順そのまま

リア側の始末REAR / JB1のリアは使えないので別建て

落とし穴 — 先例はTEIN、TANABEは一発目

この流用が成立しているのは「直巻きスプリング+シティ純正お皿」の組み合わせであって、TANABEの樽型での装着実績はまだ無い。 上端(測る3ヶ所の①②)で詰まったら、中古のTEIN JB1フロント(¥34,000前後で継続的に流通)に切り替えるのが確実な逃げ道。今から買っておく必要はない。
ただし中古を選ぶ場合はTEINのオーバーホール基本料が1本¥16,800(+消耗品別)なのを勘定に入れること。フロント2本で¥33,600=落札額とほぼ同額になり、「中古¥34,100+OH¥33,600=約¥67,700」まで膨らみ得る。 2003年で生産終了した車種向けの中古ダンパーは、抜けているかどうかが付けるまで分からない。

PHASE 8

初始動 — 火入れの儀FIRST START / この番号の順で

ゴール:「回った」ではなく「油圧・燃圧・冷却・過給の全てが正常」を確認して初めて成功。

PHASE 9

車検・慣らしFINISH LINE